多くの皆様にご参加いただき、所定の研究参加者数を達成いたしましたので、研究参加者の募集を終了させていただきました。ありがとうございました。

「メッセージアプリによるギャンブル問題への介入二重盲検ランダム化比較試験」に関する説明

目次

1. 当該研究の実施について研究機関の長の許可を受けていること
2. 研究機関の名称、研究責任者氏名(共同研究機関の名称、研究責任者名)
3. 研究の目的、意義
 (1) 研究の背景および目的
 (2) 予想される医学上の貢献や研究の意義
4. 研究の方法、期間
 (1) 方法
 (2) 研究期間
 (3) 研究対象者(研究対象者として選定された理由)
 (4) 研究実施場所
 (5) この研究を中止させていただく場合があること
5. 研究への参加により生じる利益並びに不利益、負担及び予測されるリスク
6. 研究への参加同意と同意撤回
7. 研究への参加に同意しないことまたは同意を撤回することによって不利益な扱いを受けないこと
8. 研究に関する情報公開の方法
9. 研究計画書及び研究の方法に関する資料の入手または閲覧
10. 個人情報の取扱い
11. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
12. 研究資金及び利益相反
13. 研究に関する相談について
14. 経済的負担、謝礼について
15. この研究に参加しない場合の他の治療方法
16. 研究終了後の対応
17. 研究実施に伴う重要な知見が得られる場合に関する取扱い
18. 健康被害に対する補償について
19. LINEアカウント・ご住所の使用について

1.当該研究の実施について研究機関の長の許可を受けていること

この説明書は「メッセージアプリによるギャンブル問題への介入 二重盲検ランダム化比較試験」の内容についてまとめたものです。この研究についてご理解・ご賛同いただける場合は、研究の対象者として研究に参加いただきますようお願い申し上げます。
また、この研究に参加されなくても不利益を受けることは一切ありませんのでご安心ください。もし、わかりになりにくいことがありましたら、どうぞ遠慮なく担当者にお尋ねください。
なお、臨床研究の内容は、研究に参加される方の権利を守るため、研究を実施することの適否について以下に示す倫理審査委員会にて審査され、承認された後に研究を開始することになっています。
この研究につきましても、既にその審議を受け、承認を得ています。

倫理審査委員会

1) 名称:独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター倫理審査委員会
2) 設置者の名称:独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長
3) 所在地:〒239-0841 神奈川県横須賀市野比5-3-1
4) 調査・審議の内容:研究計画書の科学的・倫理的側面からの審査、臨床研究継続時の審査

2.研究機関の名称、研究責任者氏名(共同研究機関の名称、研究責任者名)

【研究責任者】
久里浜医療センター
院長 樋口進
【研究分担者】
久里浜医療センター
副院長 松下幸生
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康増進・行動学分野
教授 古川壽亮
新潟大学 教育学研究科 学校教育専攻
教授 神村栄一
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神医療政策研究部 精神医療体制研究室長
助教 馬場俊明
岡山県精神科医療センター
医師 宋 龍平​

3. 研究の目的、意義

(1) 研究の背景および目的
最新の全国調査によると、日本人の3.8%が一生のどこかでギャンブル依存に陥っていており、その数は320万人と推計されています。依存まではいかずとも、ギャンブル問題を抱える人はこれよりもずっと多いと考えられます。しかし、ギャンブル問題に対する専門的支援を実施している機関はごくわずかです。この研究の目的はご自身のスマートフォンを用いて、どこでもいつでも使えるギャンブル問題改善のためのメッセージアプリのLINE上でのプログラムを開発し、その有効性を検証することです。
(2) 予想される医学上の貢献や研究の意義
この研究で、今回作成されたギャンブル問題に対するメッセージアプリによる介入が有効であることが示されれば、このメッセージアプリによる介入を一般公開し、ギャンブル問題への効果的な支援が受けられる方の数を増やしたいと考えています。

4. 研究の方法、期間

(1) 方法(治療プログラムの実施や情報の収集方法など)
具体的な内容・方法は次のとおりです。
まず、いくつかのごく一般的なアンケートにLINE上で答えていただきます。時間は30分ほどかかります。
そのあとは所定のタイミングで、ギャンブル問題に関する情報を提供したり、ギャンブルについての質問をしますので、情報を読み、質問に回答をしていただければと思います。
この研究で得られた資料・情報は共同研究機関である独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターに送付します。また統計解析のために、匿名化された研究データを下記の共同研究者に送付します。
(2) 研究期間
この研究は2018年3月28日から2020年3月31日の期間で実施されます。なお、収集されたデータは、2025年3月31日まで保管されます。
(3) 研究対象者(研究対象者として選定された理由)
この研究はギャンブル問題を抱える方を対象として、全国で約200人の方に参加していただきます。この研究の参加者募集要項を見て応募してくださった方のうち、事前のアンケートでギャンブル問題があると判定された方が研究に参加されます。
(4) 研究実施の名称と場所
この研究はLINEアプリ上で実施されます。なお、研究データの入力、集計は独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターで取りまとめて行い、統計解析は共同研究者間で行います。久里浜医療センター以外の共同研究者に研究データを送付する際には、研究参加者の氏名など個人を直ちに特定できる情報を削除してパスワードをかけて電子メールで送付します。
(5) この研究を中止させていただく場合があること
この研究は、あなたの健康問題、あなたからの研究中止の申し出等により、中止させていただくことがあります。

5. 研究への参加により生じる利益並びに不利益、負担及び予測されるリスク

ギャンブル問題を持つ方がこの研究に参加することによる利益は明らかではありません。この研究は将来の医学の発展のために行われるものであることをご理解ください。
この研究により、LINE上で問いかけに答えていただくために1回あたり数分から10分程度の時間的負担が考えられます。なお、身体や精神に危険性がある検査は実施しません。
また、この研究に参加することで受けることになるプログラムが、日本人のギャンブル問題に有効であるかどうかは研究実施中にはわかりません。

6. 研究への参加同意と同意撤回

この研究についてご理解いただき、研究に参加していただける場合は、LINEアプリ上で同意をお願いします。その際に研究事務局のLINEアカウントから連絡をとらせていただきますので、健康保険証、学生証、免許証などお名前、生年月日が確認できる書類の写真をお送りください。お送りいただいた写真は研究事務局で印刷したあとに、削除させていただきます。印刷した写真も久里浜医療センター臨床研究部の鍵のかかる場所に保管します。
また一度同意された場合でも、いつでも撤回することができます。同意撤回される場合にはプログラムのお問い合わせ機能を使ってお申し出ください。

7. 研究への参加に同意しないことまたは同意を撤回することによって不利益な扱いを受けないこと

本研究に同意されなかったり、同意を撤回されたりしても、それによって不利になることはありません。

8. 研究に関する情報公開の方法

この研究は研究参加者ご本人の氏名など患者さんを直ちに特定できる情報を削除して、学会や論文、ホームページ等で発表しますので、ご了解ください。

9. 研究計画書及び研究の方法に関する資料の入手または閲覧

研究参加者ご本人のご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画書及び研究の方法に関する資料を入手または閲覧することができますので、お申し出ください。

10. 個人情報の取扱い

研究で得られたデータの管理はコード番号等で行い、研究参加者ご本人の氏名などの情報が外部に漏れることがないよう十分留意します。また、研究参加者ご本人のプライバシー保護についても細心の注意を払います。
ただし、必要な場合に個人を識別できるように、原則として研究参加者ご本人の氏名などの情報とコード番号の対応表を残しています。この対応表は、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター臨床研究部に設置された外部と繋がっていないセキュリティーのかかったコンピューターの中で管理します。
統計解析を実施するため、研究データのとりまとめを行う独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターから、久里浜医療センター以外の施設に所属する共同研究者に研究データを送付します。その際、研究参加者ご本人の氏名などの情報がわからないような形にして送付します。

11. 試料・情報の保管及び廃棄の方法

この研究で得られたデータ等は2025年3月31日後にコンピューターから削除し、またアンケート等はシュレッダーにて裁断します。なお、この研究に参加する同意を撤回された場合(前述)には、データは直ちに廃棄させていただきます。
なお、保管したデータは、本研究の目的に関連した新たな研究に利用させていただくことがあります。例えば、このメッセージアプリによる介入による効果に影響を与える要因に関する研究や、この研究に参加された方がその後どのように過ごされているかの予後研究などです。その際には久里浜医療センター倫理審査委員会の承認を得ます。
ただし、この研究に参加する同意を撤回された場合には、本研究で得られたデータは直ちに廃棄します。

12. 研究資金及び利益相反

この研究は、日本医療研究開発機構(AMED)研究「ギャンブル障害の疫学調査、生物学的評価、医療・福祉・社会的支援のありかたについての研究(研究代表者: 松下幸生」の分担研究「治療法の有効性検討とガイドライン作成(研究分担者: 樋口進)」の研究として行われます。研究に必要な費用は、本研究費からすべて拠出されます。
この研究に関して利害関係が想定される企業等で研究責任者や分担者あるいはその家族が活動して収入を得ているようなことはありません。また、私たちはこの研究によって特許や、企業からの寄付など経済的利益を得ることはありません。

13. 研究に関する相談について

この研究についてわからないことがあった場合には、遠慮なく後述の「問い合わせ等の連絡先」にお問い合わせください。

14.経済的負担、謝礼について

この研究に必要な費用は、研究に参加される方が負担することはありません。また、この研究に参加していただくと、研究参加時と研究終了時にAmazonギフトカード1,000円がそれぞれ支給されます。

15.研究終了後の対応

研究終了後、研究参加者ご本人が希望される場合は、専門医療機関や自助グループについて情報を提供します。

16. 研究実施に伴う重要な知見が得られる場合に関する取扱い

本研究において得られた解析情報は、現時点では、その意義や精度が保障されているものではないため、開示を行ないません。

17. 健康被害に対する補償について

この研究では、 万一患者さんに健康被害が生じた場合でも、医療費の支払いや補償金の支払いなどの補償はなされません。保険診療での対応となりますことを、予めご了承ください。ただし、この場合も最善の治療を行います。

18. LINEアカウント、ご住所の使用

この研究に関係した連絡や簡単な聞き取り調査、関連研究のお知らせのために、お教えいただいたLINEアカウント、ご住所にを使用させていただくことがあります。しかし、その使用は、本研究に関係する事項のみに限られ、使用の期間は平成31年3月末日までです。

問い合わせ等の連絡先

医師:樋口 進・松下 幸生
(平日)      電話: 046-848-1550 8時30分〜17時15分
(土日祝日夜間) 電話: 046-848-1550
住所: 〒239-0841 神奈川県横須賀市野比5-3-1​

【Gambot導入画面】

  • 導入画面1

    1. 「研究に参加する」をタップで、メッセージが届きます。

  • 導入画面2

    2. 研究説明を読んだ上で、研究参加に同意してください。

  • 導入画面3

    3. 謝礼をお渡しするに当たって、身分証明書をご提示いただきます。

【Gambot使用画面】

  • 運用画面1

    1. 定期的にGambotから情報提供や質問が来ます。

  • 運用画面2

    2. 質問に正しく回答してください。

  • 運用画面3

    3. 28日目までご協力いただけましたら、amazonギフト券を差し上げます。

背景と目的

ギャンブルは多くの人にとって娯楽である一方、のめり込みすぎると心理的な問題、社会的な問題を引き起こします。このようなギャンブル問題が深刻になった状態をそのギャンブル依存症(病的賭博、ギャンブル障害)と呼びます。2017年の全国調査によると、日本人の3.8%、約320万人が、人生で一度はギャンブル依存状態になると推定されています。依存症には至らないもののギャンブルによる心理的、社会的問題を自覚されている方はそれ以上に多いはずです。しかし日本においてギャンブル問題に対する啓発、教育の機会、ギャンブル依存症の回復のための医療機関、自助グループの数はまだ十分とは言えません。

そこで私たちはギャンブル問題を自覚されている方が、多くの方が日常的に利用するメッセージアプリのLINEを用いて、自身のギャンブル問題の程度とその対処を知るためのプログラム「Gambot (ギャボ)」を開発しています。「Gambot」がお送りするメッセージの内容や頻度をどのように設定すると、ギャンブル問題を抱える方のお役に立てるか、それを調べることが本研究の目的です。なお、本研究は日本医療開発機構の助成を受けて実施されます。

ご協力いただく内容

Gambot LINEアカウントをお友達登録していただきます。
gambotが所定の頻度でLINE上でギャンブル問題に関する情報を提供したり、ギャンブルについての質問をしますので、情報を読み、質問にご回答ください。なお、gambotがお送りするメッセージの内容、頻度は2パターン用意しております。

場所

所定の場所にお越しいただく必要はありません。ご自身のスマートフォンのLINEアプリを使用してご参加いただけます。

研究参加期間

28日間(gambotがお送りする情報を読み、質問にご回答いただくための所要時間は、28日間合計で2時間以内と想定しています)

応募条件

以下のすべてに当てはまる方
18歳以上/ ギャンブル問題を抱える方(研究参加時のアンケートで一定以上のギャンブル問題と判定された方)/ ギャンブル問題に関する精神科治療歴がない

募集期間

募集を終了しました。

謝礼

研究参加時、終了時にAmazonギフト券をお送りします。

研究チーム

本研究はギャンブル問題や臨床研究を専門にする大学教員、医師によるチームが実施しています。​

大切な個人情報の取扱いについて

本研究ではご本人確認のため、免許証などの写真をお送りいただきます。この写真はとても大切な個人情報ですので、外部に漏洩しないように細心の注意を払います。

1. 写真はサーバーから消去します

お送りいただいた写真は久里浜医療センター臨床研究部で印刷した後、速やかにサーバーから消去することにより、外部に漏洩する危険性を最小限に抑えます。印刷した写真は鍵が掛かる書庫に保管します。

2. 研究データは匿名化します

研究で得られたデータのうちLINE IDや表示名はコード番号に置き換えて扱います。ただし、必要な場合に個人を識別できるように、原則として研究参加者ご本人の身分証明書の写真とコード番号の対応表を残しています。この対応表は、久里浜医療センター臨床研究部に設置された外部と繋がっていないセキュリティーのかかったコンピューターの中で管理します。統計解析を担当する共同研究者(久里浜医療センター以外の施設に所属するものを含む)には、この匿名化した研究データを送付します。

3. ご希望があればご本人のデータは直ちに消去します

この研究に参加する同意を撤回された場合には、データは直ちに廃棄させていただきます。メール(gambotamed@gmail.com)またはお電話(久里浜医療センター臨床研究部 046-848-1550)でご連絡ください。

4. 一定期間後にデータは全て消去します

研究で得られたデータ等は研究期間終了から5年間保管し続けるよう義務づけられています。保管義務期間終了後の2025年3月31日後に電子データはコンピューターから削除し、印刷物はシュレッダーにて裁断します。

5. 本研究のデータを関連研究に利用することがあります

保管したデータは、本研究の目的に関連した新たな研究に利用させていただくことがあります。例えば、このメッセージアプリによる介入による効果に影響を与える要因に関する研究や、この研究に参加された方がその後どのように過ごされているかの予後研究などです。その際には久里浜医療センター倫理審査委員会の承認を得ます。

6. ご心配な点があればぜひお問い合わせください

このようなインターネットを用いた臨床研究において、個人情報について心配されるのは当然だと私たちは考えています。ご心配な点についてはぜひ以下までお問い合わせください。研究事務局のメンバーが直接回答いたします。

メール: gambotamed@gmail.com 電話 :久里浜医療センター臨床研究部 046-848-1550